うゆです。
猿が怖い。
私には猿が怖い。夜も眠れないほど怖い。一週間前色々な猿の顔写真をカードに印刷した。それから毎晩シャッフルして見比べている。
怖くなくなるかと思ったが、やはり怖い。
巷には「やっぱり人間がいちばん怖い」とかいう言説がある。あるいは、一番人間を殺している動物は蚊だという雑学を聞いたことがあるし、ヒグマが人を襲っただとかいうニュースも日夜お茶の間を騒がせているようだ。しかし私にはちゃんと分かっている。みんな猿を怖くないと必死で思いたがっているだけなのだ。やっぱり一番怖いのは猿だ。猿を忘れるな。メメント・サル。
それから近年AIが急速な発展を遂げる中で、彼らが人間に反旗を翻すことを恐れている人が多いと聞く。しかし身体を持たないAIが人間を滅ぼすための兵として利用するのは他ならぬ猿である。AIは手始めに動物園の猿の脳に電気信号で改造を加え、彼らのニューロンを異常発達させることで人間を上まわる知能を与えるだろう。今この瞬間にもAIと猿とは人間のいかなる技術をもってしても感知不可能な微弱な音波を使って交信を続けているに違いない。だから猿が怖い。ダントツで怖い。
TikTokばかり見ていると人間の脳が猿の脳に近づいていると言われる一方で、信用できる筋からの情報によると、サル界では「逆TikTok」なるものが大流行しており、それを見ると逆に猿が人間の脳に近づいていくらしいのだ。ドストエフスキーとかマサッチオとかクロネッカーの青春の夢とか、彼らは私にもよく分からないけどとにかく難しい内容のロング動画を通勤ウホホ電車の中で視聴し続けているという。そんな猿たちが怖い。恐ろしくてたまらない。
3日前絵を描こうと思って動物園に行ったら猿が私を見て笑った。歯をむきだして笑った。檻の外にいる私にはどうすることもできなかった。
キリンもゾウもカバもオカピもコウモリも怖くない。
ただ猿が怖い。ダントツで怖い。
どうしてこんなに猿が怖いのだろう。
人間に似ているのに握力が200kgもあるからだろうか。話が通じそうなのに絶対に通じないからだろうか。『猿の惑星』や『NOPE』を観たからだろうか。それは分からない。ただ「パン君」も「猿まわし」も「おさるのジョージ」も怖い。身体全体が私に「警戒セヨ」と叫んでいる。
「パン君ニ警戒セヨ」
「パン君ニ警戒セヨ」
「パン君ニ警戒セヨ」…

2/28に卒業します!特典にはブログの抜粋と個人的に書きためていた文章を(つけられたら)つけます。今回の文章は載せません。当然のこととして載せません。





