ごきげんよう、うゆです。
最近のび太君とLINEを交換したのですが、名前が「N0BiT@」でめちゃくちゃ嫌でした。
8月から11月までの3ヶ月で観た作品です。
9月いっぱい夏休みだったので時間はあったはずなのですが、なんかあんまり観られませんでした。
1.『月曜日に乾杯!』オタール・イオセリアーニ
2.『ムーンライト』バリー・ジェンキンス
3.『ブラックパンサー:ワカンダ・フォーエヴァー』ライアン・クーグラー
4.『ミカドロイド』原口智生
5.『ビッグ・リボウスキ』ジョエル・コーエン
6.『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』ポール・キング
7.『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』長井龍雪
8.『グレイテスト・ショーマン』マイケル・グレイシー
9.『ウィキッド』ジョン・M・チュウ
10.『オズの魔法使い』ヴィクター・フレミング
11.『グッド・ウィル・ハンティング』ガス・ヴァン・サント
12.『マレーナ』ジュゼッペ・トルナトーレ
13. 『ハイパーボリア人』レオン&コシーニャ
14.『RRR』S.S.ラージマウリ
15.『ラブ&モンスターズ』マイケル・マシューズ
16.『八つ墓村(再)』野村芳太郎
17.『沈黙のパレード』西谷弘
18.『アタック・オブ・ザ・キラートマト』ジョン・デ・ベロ
19.『うる星やつら2:ビューティフル・ドリーマー』押井守
20.『カップルズ』エドワード・ヤン
21.『白夜』ロベール・ブレッソン
22.『マグノリア』ポール・トーマス・アンダーソン
23.『ローラーとバイオリン』アンドレイ・タルコフスキー
24.『惑星ソラリス(再)』アンドレイ・タルコフスキー
25.『ストーカー(再)』アンドレイ・タルコフスキー
26.『鏡(再)』アンドレイ・タルコフスキー
27.『僕の村は戦場だった』アンドレイ・タルコフスキー
28.『日陽はしづかに発酵し…』アレクサンドル・ソクーロフ
29.『そして光ありき』オタール・イオセリアーニ
30.『パリ・テキサス』ヴィム・ヴェンダース
31.『スーパーマン』ジェームズ・ガン
32.『鬼滅の刃:無限城編第1章』外崎春雄
33.『地下水道』アンジェイ・ワイダ
34.『ストレイト・ストーリー』デヴィッド・リンチ
35.『逆噴射家族』石井岳龍
36.『ヴェロニカ・フォスの憧れ』ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
37.『ワンダ』バーバラ・ローデン
38.『キングダム』ラース・フォン・トリアー
39.『もののけ姫 4k』宮崎駿
40.『その男、凶暴につき』北野武
41.『ソイレント・グリーン』リチャード・フライシャー
42.『秋刀魚の味』小津安二郎
43.『東京物語(再)』小津安二郎
44.『素晴らしき世界』西川美和
45.『雨月物語』溝口健二
46.『ロスト・イン・トランスレーション』ソフィア・コッポラ
47.『見晴らし世代』団塚唯我
48.『暗殺の森』ベルナルド・ベルトルッチ
49.『ジェイコブス・ラダー』エイドリアン・ライン
50.『メイデン』グラハム・フォイ
51.『タンポポ』伊丹十三
個人的5選
⑤『白夜』
ロベール・ブレッソン、1971年
視聴方法…早稲田松竹
この前に油そばを食べてしまったので、気が遠くなるほどの腹痛に耐えながら観なければなりませんでした。腹痛がなければもっと楽しめていたはずです。
ドストエフスキーによる同名小説を職人ロベール・ブレッソンが映画化。漂白されたようにからりとした清潔感に包まれた都市で、夜は本来の根城を追い出されてしまったように見える。人でいっぱいの往来には音楽が空々しく鳴り響き、きらびやかなネオンは夜半の目にはいささか眩しすぎる。ささやかな物語を内なる濃密な夜として心の中に押しとどめ、名付けようもないが立ち向かわずにはいられない感情を抱えたふたりは、快晴のもとの小さな水たまりのように僅かに残った夜を分かち合う。極限まで抑制されたストーリーテリングで描き出される寡黙な人々の言葉は、スタイリッシュなショットの中で確実にその存在感を増すのであり、それに伴って避けがたい喪失の予感すらもあえなく身に迫ってくる。ブレッソンは大好きですが白黒のしか見 観たことがなかったので、カラーだとこんな質感で撮ってくれるんだと新鮮な発見がありました。


④『日陽はしづかに発酵し…』
アレクサンドル・ソクーロフ、1988年
視聴方法…目黒シネマ
一日中映画館に籠って連続で観ていた5作品のうちのひとつ。全部長回しの難解な映画でしたが、これがダントツで苦しかった。なにせストーリーも意味不明だしショットのほとんどに黄土色のフィルターがかかっていたせいでずっと寝苦しい夏の夜みたいな気分だったのです。
熱帯夜の夢に蝕まれる。タルコフスキーの奨励を受けたソ連の巨匠ソクーロフが、『ストーカー』でも知られるストルガツキー兄弟のSF小説を映画化。原作のストーリーテリングはまるきり剥奪され、文脈も説明もないまま混沌とした時間の迷宮に放り込まれる。ベルトルッチの『シェルタリング・スカイ』やロブ=グリエの『エデン、その後』を彷彿とさせる砂漠地帯の表象。循環構造を失って乾ききった世界のなかで、過去と現在、未来の接続は解体され、瞬間は瞬間そのものとしての意味しかなさなくなる。全編黄褐色に統一された暑苦しいフィルムの中で、視聴者は幾度の熱帯夜を耐え抜き、砂漠をさまよい、飛来する謎に対峙させられる。極めて難解で、退屈でありながら、持続する映画時間を泣きそうな思いで忍耐した体験として確実に記憶に刻みつけられるであろう作品。砂漠映画は大体辛いけど結構好きな方です。


③『メイデン』
グラハム・フォイ、2022年。
視聴方法…早稲田松竹
私はかなり映画の好みがわかりやすい方で、テーマが内面的なノスタルジアに関係していて、ストーリーが寡黙で、自然の撮り方が綺麗な映画であればだいたい好きです。タルコフスキーやフェリーニの諸作品をはじめ、ライカートの『オールド・ジョイ』などがわかりやすい例です。そしてこの映画も例外ではありません。あまりにも良かったのでパンフレットを購入しました。
メガホンをとるのはカナダの新鋭グラハム・フォイ監督。フレデリック・ワイズマンに影響をうけた精緻な距離感のあるショットで、十代の重厚な喪の感情を不思議なほど爽やかに映しとる。空白は背負うのではなく抱きしめたい。午後の微風に火照る十代の体と同じ温度をして静かに脈打つその姿は夜の闇の暗がりの何倍も黒く艶やかで、明けることを知らない喪の深さに思わずいたたまれない気持ちになる。喪失を知らないほど幼くもなく、折り合いをつけられるほど成熟してもいない、世界の何もかもを手探りで求めていた時代。僕らは大丈夫ではなかった。でも大丈夫と言うほかなかった。


②『ロスト・イン・トランスレーション』
ソフィア・コッポラ
視聴方法…U-NEXT
日本人はなぜか自分たちが外国人にどう見られているかめちゃくちゃ気にする傾向があると思いますが、私も例外ではありません。その点海外の映画監督によって日本を舞台に制作された映画である本作は格好のテキストになるはずです。『ヴァージン・スーサイズ』で私の心に忘れえぬ振幅を残してくれたソフィア・コッポラ監督の作品。彼女の押し殺した息遣いと、その中に宿る鋭い眼差しは、猥雑な都市の中空へ予想だにしなかった空白を出現させ、孤独というものの色や形、匂いといったもののすべてを丹念に見せつけてくるようでもある。水底のくぐもった自閉の感覚。四方に幻視する敵意、目眩。この肺を膨らます大気すら刺々しく残酷な伏兵みたいに感じられる。日本人の映し方があまりにも醜くて意地悪だというので私の友人はこの映画を憎悪していますが、それはそれとしてめちゃくちゃいい映画です。




①『鏡』
アンドレイ・タルコフスキー、1974年。
視聴方法…目黒シネマ
文字通り、『2001年宇宙の旅』と並んで人生最高の映画です。本作に挑戦するのは3回目で、これまではいずれも自宅でDVDを借りて観ていたのですが、映画館の暗闇で見ると印象は段違いでした。一応YouTubeで公式が上げている英語版を視聴することはできるので、気になる方はショットの質感だけでも見てみてください。これまで映画を1000作は観ているはずですが、その中でも圧倒的に素晴らしい作品です。映画館で見ることができて本当に良かったです。
砕けた鏡の破片ひとつひとつが映し出す業火のゆらめきに誘われるようにして記憶の渦に迷い込む。
母を起こさぬようそっと寝床を抜け出し、家の裏手の潅木の暗がりをかき分けて、燃えるような朝焼けの色に出会う。母の肖像、ため息混じりの静謐な愛。望遠のたゆまぬ眼差し、雪中のおずおずとした身動ぎ。僕がまだ世界そのものだったころ、母はもう僕の全てを見ていたのだ。親密な未来を振り返り、見知らぬ過去と掌を合わせるようにして。
流転するノスタルジアの中心にあるのは、たださやかに脈動する血の温度。叫びたい、叫ばずにいられない。タイガの林を吹き抜ける明朝の風がはらはらとノスタルジアの本を翻し、僕は死ぬほど幸せだと思った。



かなり迷った作品として、小津安二郎の『東京物語』、団塚唯我の『見晴らし世代』、オタール・イオセリアーニの『そして光ありき』などがありますが、それらは断片的なショットの素晴らしさに尽きるので、気になる方は会いに来てくださいね。

『東京物語』

『見晴らし世代』

『そして光ありき』
【今日の一曲】
ほわちゃん生誕&周年。
大好きなランチ仲間のほわちゃんももう2周年。
ほわちゃんは最寄り駅までキツネに乗って通っているのですが、最近とうとう違反切符を切られたそうです。

可能性のかのんの生誕祭。この人は可愛いし仕事もできるけど本当はめちゃくちゃアホで愛おしいです。
当日はかのんがウクレレで優さんの頭をタコ殴りにします。

ちさとの生誕祭。
最近ちさとの夢を見たのですが、草笛で「うっせぇわ」を吹いていました。

さえさんの3周年。地雷服めっちゃいいね!
さえさんはドライブに連れて行ってくれたり、相談に乗ってくれたり、相変わらずいい先輩です。
当日はさえさんが白い地雷服を着てカレーうどんを食べます。

クリスマスイヴェント。
去年アイリとクリスマス衣装でお散歩に行ったらアイリが高熱を出してお給仕をしばらく休むことになりました。
