アイリさんに訴えられました。
被告訴人 : うゆ
告訴人 : 川奈アイリ
被告訴人の弁護士 : 川奈アイリ
告訴人の弁護士 : 川奈アイリ
裁判官 : 川奈アイリ
検察官: 川奈アイリ
状況:かなりフリ
告訴事実に対する被告の供述①
─へえ、はじめはほんの出来心でしたね。あれが自分のものになれば、ってちょっと思っちまっただけなんですよ。
あの日…百姓仲間のアイリがネックレスを貸してくれました。あなたのドレスに似合うよ、つけてみると確かにあっしの黒いパーティドレスにそのネックレスはよく映えました。違うんです、検事さん。そのときは確かに返そうと思っていたんですがね。魔が差したと言うやつですよ。これを家で腹を空かせて待つ妹に見せてやったら…。もちろんネックレスじゃ腹はふくれませんがね！これを質にでも入れればまあ1週間分くらいのピロシキには困らんでしょう？それでネックレスの野郎もね、あっしがアイリに返そうとそれを手に取ると、不思議なことになぜかするりと逃げ出しちまう気がするんです。ですから当面の間は返さないことにいたしまして…。ご心配なく！もちろん返しますよ！今でも、ええ、今でもそう思っていますとも！へ、へ、へ！
告訴事実に対する被告の供述②
─イラストですか？あれはあっしが描いたものじゃありませんぜ…。いや、いや、そんなに怒鳴らなくてもよろしいじゃないですか、分かりました、否定はしませんよ…。アイリのスッピンのイラストを「4Kリマスター」したのは確かにあっしですがね。ただ、あの原型を描いたやつは他にいるんですよ。真犯人ってやつが、他にね。
ねえ検事さん、ここに万引きをやめられないチンケな男がいるとしましょう。そいつが言うんです。「やったのは俺じゃない！俺の手が勝手にやったことなんだ！」ってね。これはどうでしょう？あなたははいそうですかと頷いて男の手首を切り落として馬鹿正直に手首だけ収監するんですか？そんな妙な話はないでしょう。私はただ手を加えただけに過ぎないんです。本当の悪は…賢い検事さんならお分かりになりますでしょう？なにもあっしを釈放しろだとかそんな極端なことを言っているわけじゃございませんがね！へ、へ、へ！
告訴の結果に対する被告の返答
へ、へえ！アイリさん！こりゃあっしがアイリさんの小作人になるっちゅう話ですかね！ええ、そうしますとも！はい喜んで、ってやつですよ。シベリヤの冬は寒いんです、アイリさんはそれをよく分かって、あっしのことを心配してくださる！なんとお優しいお方だ。こんな腰の曲がった、みすぼらしい哀れな老人を…。ぶつぶつ。
アイリさんはいっつもあっしらに親切ですがね！銀時計を盗んだ娘のことも不問にしてくださった。暖かい心をもったお方だ。クリスマス衣装で一緒にお散歩に行ったときは、彼女は私の分まで凍えて風邪をひいてお給仕まで休んじまった！正直な人です。おかげであっしらも楽しくやれてますよ。…あっ、エプロンがねじれてますぜ、アイリさん。これからもよろしくお願いいたしますよ、まったく。
