めいです
雪が降りました

雪って好きです
綺麗で柔らかくて触れたら崩れる癖に
強く強く握ったら固く塊になる
ほんとは埃や塵が含まれていて
不純物で綺麗なんかじゃないのに
緩やかに空から舞い降りて
地に足をつけず消えていく
天使みたい
天使だって感情があるから
重なり重なり繋がり合えば
山となって覆っていく
人も動物も雪には弱い
傘をさしても重みが増すし
ふと歩いてステップでも踏めば
纏わりついて足を縺れさす
水だったらわかりやすい
傘をさしたら軽く弾けるし
ただ歩いてステップでも踏めば
やがて雨上がり晴れ上がる
雪は嘘つきだ
形あるふりして
優しく包み込むふりして
かわいいこぶって
純粋ぶって
いつまでもそこにいるふりをする
ほんとは冷たい癖に
ほんとは消えてく癖に
ほんとは汚い癖に
消える命だと思っているから
可愛くなりたいのかね、君は
江ノ島の海は素直だ
毎日のぼる太陽は
365日消して同じでないのに
雲に隠れることもあるのに
懲りずに橋の上の僕らを照らす
ザアザア、ザパァン
夏の始まりごろ
砂浜が光って目に眩しくて
冬の寒さが恋しくて
海に雪はつもらない
君たちは一緒にいられない
海の素直さに雪は怯えてしまう
遠い陸地から海を眺める
淡々と寄り返す波に
君は随分平凡だねと
気まぐれに降ってかっこつける
君も元々そうだったろう
いつか海に帰るんだね
やがて太陽がのぼり
海岸は茶色くなっていく
光が反射し白くなる
また体が溶けて空に昇る
雪は海に帰り
また世界を彷徨い
掬われたころに雪になる
次は川から海へ
どこか遠い森の中にでも通っていく
誰も知らない場所で
誰も知らない動物と
誰も知らない呟きを

雪と海


